お代官と越後屋日記 7第7話 暗雲の兆し四国藩総括の白川主水は急な辞令に驚いていた。 「10月1日をもって関西藩総務課長を命ず」 あと一週間しかなかった。 本人以上に驚いたのは四国藩の藩士達であった。 白川の補佐役として働いていた笠野義輝などは 自分の辞令でもこれほどは驚かないだろうというほど驚いた。 「後任は???」 皆、夜も眠れなくなっていた。 そもそも四国藩は大規模ユーザもすくなく また、経済の状況もまだまだどん底であった。 したがって売上自体も低迷し、ここ数年は 目標を達成したことがなかったのである。 しかしながらそれでも彼ら藩士達が生きてゆけたのは 白川主水が矢面に立って彼らをかばったからであった。 各藩士たちはその事をよく知っていた。 白川の次に来る人間がどういう人物かで 彼らの生活も大きく変わるのは明らかである。 「あの代官に対抗できる人間はそうはいない」 藩士の小西はこれから自分達に降りかかってくるであろう 様様な出来事を想像しながら、しっかりと気構えだけは 持っておこうと心に決めていたのだが 現実は小西をはじめ藩士達の想像をはるかに越えるものである事を まだ誰も知らなかった。 ジャンル別一覧
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